病院やクリニック以外でも、献血ルームや空港・港の検疫所、官公庁の医務室で看護師資格を使って働く道があります。常勤を希望するなら、雇用形態と応募条件を先に確認すると、候補を絞れます。
珍しい職場を探す時は、求人サイトの施設分類のほかに、各血液センターや厚生労働省、防衛省の公式採用ページを確認する方法もあります。北海道の献血業務には正職員の募集があり、防衛省医務室には常勤職員の採用例があります。ただし、防衛省の掲載例は2026年4月6日で応募期間が終了しています。
イベント救護に関心がある方は、雇用形態にも目を向けます。日本看護協会・中央ナースセンターの2024年度登録求人では、「救護(イベント等)」の募集人数では、臨時雇用が98.7%です。病棟の常勤から移る先として考えるなら、仕事の名前だけでは決められません。
常勤を希望するなら、雇用形態から候補を絞る
献血業務は、正職員での採用か登用制度かを確認する
北海道ブロック血液センターの旭川の募集は正職員です。仕事は献血ルームと移動献血車での採血業務で、正看護師免許と43歳までという条件があります。献血ルームだけに勤務できるかは、応募前に確認したい点です。
旭川の募集要項では、所定時間は8:40〜17:10など3つのシフトで、基本給は250,000円〜300,000円程度(看護師経験年数等により算出)、年間休日は126日(令和8年)です。基本給は額面(税金や社会保険料を引く前の額)です。
移動採血車に乗務する場合の時間外は月平均20時間、賞与は年2回(令和7年度実績4.4か月)、試用期間は採用日から3か月です。
一方、愛知県赤十字血液センターの採用情報は、パート職員から正規職員への登用制度がある募集です。パート職員の勤務日数は応相談で、土日の勤務があります。登用には業務への習熟度などの評価と面接があります。入職時から正職員を希望する方は、登用後の待遇と採用時の雇用形態を区別して確認します。
検疫所は、経験年数と全国転勤の条件で考える
空港や港での感染症対策に関心がある方には、検疫官という候補があります。
厚生労働省の現行募集は、日本国籍、看護師免許、応募時点で看護師として5年以上の臨床経験、普通自動車免許が条件です。採用後は全国転勤となります。給与は281,500円からで、経験年数に応じて調整され、扶養手当・住居手当などの諸手当は条件に該当する場合に支給されます。
全国転勤のない任期付職員の検疫官(看護師)の募集もありますが、2026年11月6日の確認では募集停止中です。転勤できない場合は、任期付職員の募集の再開も確認します。
通勤できる範囲に空港がある場合も、その空港に配属される前提で転職時期を決めず、勤務地と転勤の条件を確認します。
官公庁の医務室は、募集終了の表示まで確認する
海上自衛隊が実施した看護師の選考採用には、防衛省医務室で診療の補助などを担当する常勤職員の募集例があります。採用時の身分は防衛省職員の防衛技官です。
この募集は2026年4月6日で応募期間が終了し、公式ページにも受付終了と書かれています。現在応募できる求人としてではなく、次の募集を探す際の職種名と応募条件の参考になります。
イベント救護は常勤募集の割合を確認する
イベント救護の登録求人の雇用形態日本看護協会・中央ナースセンター 2024年度登録データ 表2-5-1
同じ目盛りで比較できます。
2024年度にナースセンターに登録された「救護(イベント等)」の求人の募集人数3,813人に占める割合
常勤を希望する場合は、献血業務や検疫所の募集区分も確認します。
出典:本文末尾の資料
日本看護協会・中央ナースセンター「2024年度 ナースセンター登録データに基づく看護職の求職・求人・就職に関する分析報告書」の表2-5-1による内訳です(2026年11月6日確認)。
表は左右にスクロールできます。
| 雇用形態 | 人数(人) | 割合(%) |
| 常勤 | 2 | 0.1 |
| 非常勤 | 48 | 1.3 |
| 臨時雇用 | 3,763 | 98.7 |
| 全体 | 3,813 | 100.0 |
確認日:2026年11月6日(日本看護協会・中央ナースセンター 2024年度登録データ 第2章 求人 表2-5-1より)
対象は、2024年度にナースセンターに登録された「救護(イベント等)」の求人で、雇用形態の内訳は常勤0.1%、非常勤1.3%、臨時雇用98.7%です。3,813人は募集人数です。
この集計では常勤の割合が小さいため、常勤を希望する方はイベント救護だけに候補を絞らず、献血業務や検疫所の募集区分も確認します。
病棟を離れても、早出・出張・転勤は確認する
「夜勤をやめたい」と「毎日同じ時刻に帰宅したい」は、求人で確認する条件が違います。
旭川の献血業務の募集要項では、移動採血車勤務の場合、早出出発は月15回程度です。宿泊出張は月1回程度で、3〜4泊の行程があります。転勤の可能性もあり、旭川市内の異動は全職員、旭川市外(道内)の異動は主に役職者が対象です。日中の採血業務でも、勤務先への移動や宿泊を含めて続けられるかを考えます。
検疫所の勤務条件は勤務地によって異なります。厚生労働省は、空港では交替制勤務としています。「空港で働く看護師」という名前だけで日勤のみとは判断できません。
受付が終了した防衛省医務室の募集例にも、平日の勤務に加えて夕方の日直が書かれていました。病棟以外へ移る時は、通常の勤務時間のほかに、早出・日直・出張・オンコールの有無を確認します。
手取りを考える時は、今の給与明細の基本給と夜勤手当を分けて確認します。候補先の月給は、額面(税金や社会保険料を引く前の額)と手取りを混同せず、毎月支給される手当と勤務実績に応じる手当の内訳を確認します。夜勤なしの給料・手取りの記事でも、病棟から移る際の給与の見方を確認できます。
今の経験で応募できるか、勤務歴と募集要項を照合する
急性期での経験が長い方も、療養病棟で働いてきた方も、応募先が求める経験年数を先に確認します。診療科の印象だけで応募できる、できないとは決めません。
検疫官の現行募集で数えるのは、医療機関での看護師としての臨床経験です。准看護師としての経験は含まれません。2年目の方は、この募集の5年以上という条件には届きません。休職期間や非常勤での勤務歴をどう数えるかは、採用窓口に確認します。
防衛省医務室の終了した募集では、看護師としての勤務経験5年以上に加え、1965年4月2日から2001年4月1日までに生まれた方という条件がありました。次回の募集でも同じ条件になるとは限らないため、新しい募集要項で読み直します。
応募書類では、勤務期間に加えて、担当してきた看護を具体的に記載します。献血業務を希望するなら採血の経験、検疫所を希望するなら健康状態の確認や感染症対応の経験を、自分が担当した範囲で整理します。検疫官の業務には、入国者の健康状態の確認や検疫感染症の検査などがあります。
募集の締切と応募書類を確認して、準備を始める
献血業務は、希望地域の赤十字血液センターと、その地域を管轄するブロック血液センターの採用情報を確認します。旭川の正職員募集は、北海道ブロック血液センターの採用ページから募集要項を開けます。応募締切の記載はなく、履歴書と職務経歴書を郵送する方法です。応募を考える時点で、受付状況を採用窓口に確認します。
厚生労働省の検疫官募集は、2026年11月1日に再開しています。締切は2026年11月20日の書類到着分で、採用予定日は2027年3月1日以降です。履歴書、職務経歴書、看護師免許の写し、小論文を郵送します。小論文は指定のテーマで1,200文字程度です。入職希望月から、書類を準備できる日と現職の退職時期を考えます。
仕事の場面が想像できない場合は、職場見学の案内も確認します。愛知県赤十字血液センターには、採血シミュレーターによる穿刺体験や職場見学の案内があります。採血以外の担当業務、配属後の教育、勤務場所の変更について質問すると、病棟との違いを判断しやすくなります。
希望地域に募集がない時は、次の募集を待つほかに、一般企業で働く看護師の記事や学校の看護師の求人の記事から、資格を使う別の職場を検討する方法もあります。
気になる職場の次の募集時期を確認する
通勤できる範囲、夜勤の有無、転勤に対応できるかを基準に、気になる職場を1つか2つに絞ります。勤務条件から候補を考えたい方は、夜勤・オンコール・休み・常勤の条件で職場を絞れる比較ページで条件を選べます。
求人の条件は変わるため、応募の前に、求人票と事業所の募集要項で今の条件を確認します。
候補が決まったら、気になる職場の公式採用ページで、現在の受付状況と次の募集時期を確認します。次の時期が書かれていなければ、掲載されている採用窓口に「[職種名]の次の募集予定と、募集案内が掲載されるページを教えてください」と問い合わせます。